旭山動物園のすごい行動展示 。真冬の動物園を見てほしい。

動物への想い。娘の初めてのインタビュー。旭山動物園園長。

園長の阪東さんは、飼育展示係、副園長を歴任され、数々の動物園舎を提案されてきました。今回は特別にアポをとって、娘のインタビューのための時間をくださいました。閉演後のさみしい動物園の待合室で、どんな質問にも最大限に答えてくださいました。

旭山動物園で園長さんにインタビュー。真剣な面持ち。

預かった命をどうするか。どんなことをしても、動物を檻の中に入れるのは人間のエゴにすぎない。だから、どんな可能性があるのかを動物園に来る人に惜しげなく見せてあげたい。そして、動物園の良い面ばかりでなく、動物は生き物で、愛らしくてもいつかは死ぬんだ、ということも子供たちにはきちんと伝えなければいけない。園内でいくつか、動物の喪中に出会った。死んじゃって、いなくなったんだ。どのくらい、生きて、生を全うした。だから、今はいない。

旭山動物園にて、こんな掲示みたことない。動物が死亡したときの喪中のお知らせ。

動物園の使命は、そこが命をつなぐ空間でなければならないということ。動物は自分たちで環境を変えない。次の世代につなげられると感じないと繁殖しない。自分たちが住んでいる場所を認めないと子供はつくらない。例えばオオカミは一匹や2匹で飼うより、群れの中にいたほうが幸せ。だから、そんな見せ方をする。動物は何千万年も決してブレないから、求めるものも常に同じ。

旭山動物園のニホンオオカミ。ここでしかみられない日本の固有種。冬に遠吠えを聞きたい。

坂東園長は、自分がその動物に乗り移って魂を委ねた時に、どんな環境が欲しいかがわかるといっていました。　「あいつら、凄いんです。。」　と熱く語る口調に深い深い愛情を感じたよ。自然界では命を懸けて確保しなければならない、食べ物と安全はここにはすでにある。だから、プラスのストレスはある程度、必要なんだという。割と動物は暇なんですよ。だから、動物がお客に興味を持てるようにしたい。動物が人間を観察する環境を作るんです。動物たちも楽しんでいる。なんておもしろいんでしょう。初めての発想でした。

真冬の動物園、見てほしい、という園長さんの言葉。

マイナス20~30度にもなる旭川。半端なく寒いこの動物園。北の大地ならではの動物がたくさんいる。ペンギンやシロクマをはじめ、北オオカミ、ゆきひょう。テンやオコジョ、キタキツネ。たくさんのフクロウたち。寒い冬の夜にオオカミたちが遠吠えして、園内にこだまする。その声がとても愛おしいそうだ。冬シーズンのペンギンのお散歩と北極オオカミの様子はこちらから！！ 冬の旭山動物園の一大イベント、ペンギンのお散歩！ ここの動物園、随所に働いている人たちの愛を感じます。動物の園舎を廻ると、それぞれにな展示物があり、動物の説明がわかりやすく書いてあります。そのすべてが手作りです。まるで、保育園に来たみたい。そんな風に感じるほど、動物の生態の説明が、看板が、絵が、切って、貼って、塗ってあって、暖かい雰囲気を醸し出している。

絵本「あらしのよるに」　の挿絵の　あべ弘士さんの絵。

半年に一度、冬シーズンと夏シーズンの間、それから冬シーズンの準備期間、手作りの展示物は全部描き換えるんです。いつも同じものを展示していると飽きられてしまう。だから、毎回、真剣勝負。シーズン間のお休みが実は一番忙しいと坂東園長は言っていました。

キリンの獣舎には人口の木。それにはわけがある。旭山動物園

旭山動物園、もともと山の斜面に作られているのに、動物を上からも下からも見える造り。半端なく歩きました。動物園ショップも旭山ならでは。全部欲しくなってしまうほど、かわいいものばかり。いま家で活躍しているのはキッコーマンの旭山動物園のお醤油さし♡ 2016年夏、娘はいくつかの獣舎の建築提案をもって、再び一人で旭山動物園に行く。どんな会話が飛び出すんだろう。いろんな気づきを得て帰ってきてほしいなぁ。